ダムおよび取水堰に設置され、発電に必要となる水量を自動的に調整するための装置です。自所または遠隔地からの指示値をもとに、水位や流量を調整するために取水口ゲートを自動的に制御します。
計測した水位や流量をもとに目標開度制御や調整帯制御などの方式を用い、指示値へ追従するように自動制御を行う。
指示値到達後は、引き戻し制御や微調整制御などによって実際の水位または流量が指示値へ到達したあとに生じるハンチングを最小限に抑えることが可能。
ダムまたは取水堰の運用に応じた、さまざまな制御条件を組み入れることが可能。
パターン運転制御 | 取水(注水)運転パターンに応じた段階制御機能に対応。 |
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下流への維持・責任流量や観光放流を優先とする制御条件 | 維持・責任流量、または観光放流を優先とする制御で、規定量を保ちながら取水を行う。下流への規定量については、期間指定やカレンダー指定などによりあらかじめスケジュールとして設定をしておくことも可能。 |
ダム(堰)水位一定を優先とする制御条件 | ダム(堰)水位一定を優先とする制御で指示値である目標ダム(堰)水位を一定に保ちながら取水を行う。 運用によっては、ダムゲート(排砂門など)を連動させるかたちで制御することも可能。この場合、下流への規定限度量なども考慮することが可能。 |
下流警報装置との連携 | 特に自由越流式の取水堰については、水位または流量の傾向を予測することにより、実際の越流前に下流警報装置に対し越流時の吹鳴指令を出力させることが可能。 |
水位や開度、ゲート故障状態などの基本情報や手動操作シーケンスなどについてはハードウェア回路によって構成し、その他履歴情報や自動制御に関わる経過グラフなどの各種詳細データはPLCおよびタッチパネルに集約するなどの工夫により、信頼性ならびに保守・運用性に優れた設計。
遠隔地との伝送装置を盤内に実装できるため、本装置1面のみの構成で遠制化に対応が可能。
ダム管理システムや各種関連システムと連携させるための各種インターフェースを実装可能。
制御所や総合管理所などに表示端末またはサーバ装置などを設置するネットワーク構成とすることも可能。遠隔より、現地の自動制御に関わる定数および条件などの変更や、装置の稼働状況を詳細にかつリアルタイムに監視できるため、運用における初期対応ならびに現地への出向判断を的確に行うことが可能。また、過去の履歴情報による各種検証や他業務へのデータの有効活用などが期待できる。
屋 内 | 屋 外 | |
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周囲温度 | +5℃~+40℃ | -35℃~+40℃ |
相対湿度 | 30%~80% | 10%~95% |
周囲環境 | 一般配電盤室程度 | 風速最大40m/s 積雪3m |
項 目 | 絶縁抵抗(電気回路一括対地間) |
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機器の定格電圧30V以下 | DC100Vメガにて5MΩ以上 |
機器の定格電圧30Vを超え60V以下 | DC250Vメガにて5MΩ以上 |
機器の定格電圧60Vを超え660V以下 | DC500Vメガにて5MΩ以上 |
項 目 | 耐電圧(電気回路一括対地間) |
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機器の定格電圧30V以下 | AC500V1分 |
機器の定格電圧30Vを超え60V以下) | AC1000V1分 |
機器の定格電圧60Vを超え250V以下 | AC2000V1分 |
項 目 | 内 容 |
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装置および部品構成 |
・必要最低限の部品点数 ・機能分散による故障時の他機能への波及防止 ・使用実績、十分な性能検討に基づいた部品選定 |
サージ対策 |
・フォトカプラ等を用いた、外来サージへの絶縁対策 ・供給電源からのサージ対策 |
信号の誤り制御 | ・パリティ、定マーク検定等による誤制御出力対策 |
システム診断 | ・装置の異常状態を検出する診断機能を実装 |
フェールセーフ・フールプルーフ | ・装置の異常時や操作員の誤操作時には、安全側に移行させるための機能設計。 |
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